古仁屋八月踊り唄(6) よがなべ(煙草ながれ)
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当時煙草は(想い草・もつれ草・忘れくさ)との節である。
若者の象徴として、愛の源泉となり重宝がられた。
煙草の栽培は硬く禁じられ藩から買い入れた。
天文十二年(1643)年ポルトガルの商人が鉄砲移入時に
始まる。
その後大島に伝来、薩摩藩治下に入って黒糖と交換。
煙草一斤で砂糖二五斤と高価であった。(文政十三年)
一. よがなべや去年(くどぅ)ぬ 根出来(むとでぃきぃ)ぬ煙草(たばこ)
またも去年(くどぅ)出来(でぃきぃ)ぬ むつり煙草
二. 夜中(ゆなは)目(むぃ)ぬ醒(さ)むぃて 眠(ねぃ)ぶららぬ夜(ゆる)や
煙草管(きせぃる)取寄(とりゆ)せて たよら煙草
三. 草吹きなって 煙草管(きせぃる)取(と)りならて
愛人(かな)がもる時ぬ うりし挨拶(ゐぇえさつ)
四. 別人(あききりゃ)がうもち 失恋者(えんきりゃ)がいもち
座程(ゐしふどぅ)ぬ煙草(たばこ) つみてなをそ
五. 座程(ゐしふどぅ)ぬ煙草(たばこ) 煙(けぃぶし)吹(ふ)き出(だ)すな
信実(しんじつ)に想(うも)てぃ くぐて召(みしょ)れ
六. 愛人(かな)がうもる時ぬ あいそ青(あを)煙草(たばこ)
赤(あは)煙草(たばこ)と想(うも)てぃ くぐてみしょれ
七. 様(さま)や赤(あは)煙草(たばこ) 切(き)り散(ち)らち吹(ふ)きゅり
吾んな青(あを)煙草(たばこ) もでど吹(ふ)きゅり
八. 赤(あは)煙草(たばこ)吹(ふ)きば 赤(あは)色ぬつきゆり
青(あを)煙草(たばこ)吹きば 青(あを)くなりゆり
九. 吾が胸内(むねぃうち)や 煙草管(きせぃるど)ぬこがれ
打(う)ちこがれこがれ 他人(ゆそ)や知(し)りゃぬ
十. 流(なが)れ走(は)り川(こ)に 石(いし)浮(うくぃ)て見(み)ちゃむぃ
愛人(かな)や吾(わ)が心(こほろ) さぐて見ちゃむぃ
十一.流(なが)れ走(は)り川(こ)に 花流(なが)ち見(み)ちゃむぃ
愛人(かな)と生き別れ ありが如(ぐとぅ)に